「約束したことは、ちゃんと守らないとダメでしょ」と怒ったり、「どうして守れないの?」と悩んだり。
子どもの反抗的な態度に、ママやパパもつい怒ってしまいがち。
どうしたら、子どもは約束を守れるようになるのでしょうか。
私の伝え方が悪いの? 約束を守らない子どもについ感情的に
7~10歳頃の子どもは、大人と対等に話せる話題も増えてくるため、ママやパパは約束を守ってくれるだろうと期待してしまいますよね。
そのため子どもが約束を守らなかったときは、どうしてなのか理解できず「約束を守らないのは、私の伝え方が悪いの?」と頭を悩ませることも少なくありません。
また、子どもに守ってほしい大切な約束をやぶられると、つい感情的になって怒ってしまうというママやパパもいるでしょう。
さらに、子どもが反抗的な態度を取った場合には、ママやパパも冷静になれずにヒートアップしてしまい、十分な話し合いができなくなることもあるかもしれません。
“守らない”のではなく、“守れない”ケースがほとんど
7~10歳頃の子どもが“約束を守らない”ときは、わざとではなく、約束を守ろうとしたのに“守れなかった”というケースがほとんどです。
子どもは、ママやパパとの約束を理解して守ろうとしていますが、何らかの理由で約束を守れなかったというケースも多くみられます。
例えば「門限を守りたかったけど、友達が転んで遅くなってしまった」「宿題をやってから遊びに行く約束を守りたかったけど、友達が迎えに来てしまった」などの理由で約束を守れなかったこともあるでしょう。
このようなときに、ママとパパが理由や原因を聞かずに感情的に怒ると「守れなかった理由があるのに、聞いてもらえなかった」と感じ、何も言えなくなってしまいます。
また、親の決めた約束に対して子どもは「どうしてそうなんだ」「聞いてないよ!」と不満を感じていたり、子どもにとって実行するのが難しい約束になっていたりする場合もあります。
感情的に怒るのではなく、話を聞いて理由を探ることが大切
7~10歳頃の子どもが約束を守らなかったときは、まず理由を聞くことが大切です。
同じ約束を何度もやぶる場合は、その子にとって約束の内容が難しすぎる可能性もあります。
親の価値観のみで約束を押し付けていないか、子どもにとって無理な内容の約束になっていないか、親子で話し合ってみましょう。
例えば「宿題をやってから遊びに行く」という約束を守れないなら、「帰ってきてからきちんと宿題をやる、という約束に変えてみる?」と提案するのもひとつの方法です。
同じ約束でも、守れる日と守れない日がある場合は、守れなかったときに怒るより、守れたときに褒めて、子どものモチベーションを高めるとよいでしょう。
イギリスでは子どもが7~10歳頃になって物心がつくと、パパ、ママ、子どもみんなで家のルールを話し合うファミリーミーティングをするそうです。
時間を守る、自分の言葉に責任を持つといったことから、おこづがいのことまで、子どもの意見を聞きながらルールを作るそうです。
それによって行動の規律ができます。
そして意外にも子どもはルールが気に入っているよう。
それは自分の意見も言えて、ルールの中に採用されるとプライドを持てるからでしょう。
また、ルールを破ることも想定して、ペナルティーを考えているそうです。
ひと言に「約束」といっても、家庭内のささいなルールから、命の危険にかかわる絶対に守ってほしいものまでさまざま。
ママとパパは、約束の内容によって接し方を変えてみましょう。
小さな約束が守れなかったときは、冷静に理由を聞いたうえでママとパパの気持ちを伝え、次は守れるように一緒に解決策を考えます。
大きな約束を守れなかったときは、真剣に目を見て、厳しく叱ることが必要です。
子どもがその約束の大切さを理解できるまで十分に話し合いましょう。
感情的に怒ってしまったときは、一旦子どもと距離を置き、冷静になってから子どもと話す時間を作りましょう。
子どもの話に耳を傾けることを意識してくださいね。
7~10歳頃の子どもが約束を守らないときは、守らないのではなく、守れない場合がほとんどです。
感情的に怒らず、約束を守れなかった理由を子どもに聞いてみましょう。
そのうえで、状況に合わせた解決策を親子で一緒に考えましょう。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama