子どもにお手伝いや勉強を頑張ってほしいけれど、ママとパパの声掛けだけでは、素直に行動してくれなくて困っているという声はよく聞かれます。
しかし、ご褒美をあげると言ってやらせるのも違う気がするし……。
ご褒美がなくても行動させるにはどうしたらよいのでしょうか。
ご褒美はあげてよいの? ご褒美がないと行動しないわが子に困っている
勉強やスポーツを頑張ったり、お手伝いをしたりしたときにご褒美をあげるという家庭もありますが、そもそもご褒美はあげたほうがよいのでしょうか。
つい必要以上にご褒美をあげて甘やかしてしまうという悩みを抱えるママとパパも少なくありません。
また、ご褒美の習慣がついて、ご褒美がないと子どもがやる気を出さない状況に困ってしまっているというママやパパもいるでしょう。
親にご褒美や条件を交渉してくるようになった子どもにどう対応したらよいのか悩んでしまいますよね。
子ども自身、“本来の目的”がわからなくなっているのかも
子どもは、ママやパパが感心してくれる、笑ってくれる、撫でてくれる、ありがとうと言ってくれるなど、親の愛情を感じられるだけで十分にうれしいもの。
本来は、ママとパパの役に立てたり、褒めて貰えたりすることがご褒美なのです。
しかし、いつもご褒美や条件付きで評価をされていると、ご褒美がないと動けなくなってしまい、子ども自身、頑張る目的が分からなくなってしまいます。
子どもが自分自身の成長や努力を喜びに感じられていない場合は、子どもへの声掛けを見直してみましょう。
子どもにも家族としての役割分担を!ご褒美は感謝の気持ちで表して
7~10歳頃の子どもにとって、日々の勉強やお手伝いに特別なご褒美は必要ありません。
お金や物などのご褒美を与えるのはよくないのでやめたほうがよいでしょう。
とはいえ、ご褒美が習慣化している場合はそれがなくなると、子どもは違和感をおぼえるでしょう。
この年齢の子は今までと少しでも違ったり、変わったりすると拒否反応を起こします。
ご褒美をやめるときは「ごめんね、今までのご褒美をやめようと思っているの」と伝えてあげて下さい。
その代わり、子どもの頑張りに対して、ママやパパが感謝して喜び、たくさんの愛情を言葉で示すことが大切です。
お手伝いを頼むときは、子ども自身がお手伝いをする自分を誇らしく感じられるように役割を与え、家族の一員である気持ちを持てるようにしましょう。
たくさんお手伝いをしてくれた子どもに、どうしても何かご褒美をあげたいときは、子どもに何がいいか聞いたり、一緒に出掛けるなど、家族での時間をご褒美にしてみるのもいいですね。
子どもからご褒美を要求してきたときには、ただ「ダメ!」と拒否するのではなく、どうしてそれがほしいのか聞いてみてください。
子どもは答えないかもしれませんが、「あなたのことを知りたいから聞くのよ」と言ってあげましょう。
7~10歳頃の子どもは「自分のことを分かってくれる親」を求めています。
この機会をチャンスと捉え、たくさん話を聞いて風通しのよい関係づくりをしましょう。
感謝の気持ちを伝えて
子どもにお手伝いを頼むとき、自分の力で努力してほしいとき、何か条件付きの評価をしていないかに注意しましょう。
子どもが何かを頑張ったときには、やって当たり前と思わずに、感謝や喜びの気持ちを伝え、その行動を認める「よくやってくれたわね、助かったわ」の一言が大切です。
子どもが自分から動けるように、達成感や満足感を得られる方法を親子で一緒に考えましょう。
監修:増本さおり
第16期認定子育てアドバイザー(保育士、幼稚園教諭・千葉市高洲子育てリラックス館リーダー)
文:tomomi
イラスト:Ryoko Ishiyama