子どもにはいろいろなことを自分でやりたがる時期がありますよね。
ママやパパが急いでいるときや、うまくできずに子どもがイライラしたりすると困ってしまいます。
こんなとき、どうしたらよいのでしょうか。
成長の証と分かっていても、急いでいるときは困ってしまう
「自分でやりたい」気持ちを尊重してあげたいという思いがあっても、時間がないときや子どもにはまだ難しいことをやろうとしているときは、親にとっては大ピンチ。
また、子どもがジュースを自分で注ごうとしてこぼしてしまうことを考えると、つい手を出したくなるものです。
割れ物や火など、危険なものを扱うときはなおさら。
上手にできずイライラして怒りだす子どもも多いので、なんとかならないかと悩んでしまいます。
大人がしていることを自分でもやってみたい、できる気がする
子どもが「自分でやりたい」と言うときは、好奇心やチャレンジ意欲があるときです。
親が手助けしようとすると、「自分でやりたい」と癇癪(かんしゃく)を起こす子もいますが、これはわがままとは違うのです。
大人から見ると「明らかにできそうもないこと」であっても、ママやパパ、お兄ちゃんやお姉ちゃんがやっているのを見たら、自分もできるような気がしているのです。
それをやる前から親が「できないでしょ」「これは無理だよ」と言ってしまうと、子どもはなぜ禁止されているのか分かりません。
子どもの「誰にも邪魔されず自分ひとりでやってみたい」という気持ちを理解すれば、その後の成長(チャレンジ精神・意欲・あきらめない気持ち・手指の器用さ)にもつながります。
基本は見守り、手を貸したいときは声をかけてから
子どもの成長に大切なチャレンジ精神を伸ばすためにも、できるだけやらせてあげましょう。
ママやパパは手を出さず、見守るスタイルで。
ただし、火を扱うなど危険なことは「危ないからダメ」と触らせないようにしましょう。
特にキッチン周りは危険がいっぱい!
ポットや炊飯器の湯気に手をかざしたりするので、子どもの手の届かないところに置きましょう。
周囲を汚すかもしれないと心配なときは、「このあとお風呂だから今ならいいよ」「今日はお客さんが来るからできないよ」と、ダメな理由をその都度伝えるようにすれば、子どもは「いつでもできるわけではない」と理解してくれるでしょう。
ひとりでできたときは、一緒に喜んであげるのがベスト。
たとえ靴が左右逆だったとしても、本人がよければよいのです。
長時間歩くなど支障がありそうなときは「ちょっと歩きにくそうだね。履き替えてみる?」と提案しましょう。
あらかじめ左右・前後を間違えないようにシールを貼るなどの工夫をするのもおすすめです。
できなかったときは「ママと一緒にやってみようか」と提案してみてください。
子どもが主導でママは手を添えるだけなら、子どもは「自分でやった感」を得られます。
急いでいるときは、「どうしよう、電車に遅れそう」などと事情を伝え、「ママも一緒にやるね」と声をかけてから手を貸すようにしましょう。
子どものチャレンジを見守って
子どもが何でも自分でやりたがる時期が来たら、それはひとつ成長した証です。
意欲やチャレンジ精神を育てるチャンスと捉え、時間と事情が許す範囲でとことんやらせてあげましょう。
普段から時間に余裕を持って行動したり、上手にできるように親が工夫したりして見守ってあげたいですね。
監修:信野 操
第8期認定子育てアドバイザー(看護師・千葉市幕張本郷子育てリラックス館リーダー)
文:あまね
イラスト:Ryoko Ishiyama