子どもが人を叩いたり、噛みついたり、髪の毛をひっぱったりしてしまうと、親としてはヒヤヒヤしてしまいますよね。
なぜ子どもはそのような行動をするのでしょうか。
わが子は乱暴な性格なの? 注意しても直らないときはどうしたらいい?
大人の言葉をまだ理解しきれない1~2歳頃は、人を叩いたり、噛みついたり、髪の毛をひっぱったりすることを注意しても再び繰り返されることが多く、どのように伝えたらよいか悩んでしまうママやパパも多いのではないでしょうか。
あまりにも攻撃的な行動が続けば、「誰かにケガをさせてしまうかも」と児童館などで遊ぶことを躊躇したり、「うちの子は乱暴な性格なの?」と不安に思ったり、「自分の育て方に問題があるのでは」と悩んだりすることもあるかもしれません。
感情的に叩いたり噛みついたりするのは、気持ちをうまく表現できないから
1~2歳頃の子どもが叩いたり噛みついたりするのには、2つの理由があります。
1つは子どもが遊び感覚でやっているケースです。
この場合はママやパパなど愛情や信頼関係のある人にしかやらないため、他人を攻撃する心配はあまりないでしょう。
もう1つは、自分の感情をうまく表現できず、攻撃的な行動を衝動的にしているケースです。
この場合は、場所や人を選ばずにやってしまうことがあります。
やめさせようと言葉で制止しても効果は薄いでしょう。
子どもの気持ちをママやパパが代弁してあげて
子どもはママやパパを遊び感覚で叩いたり、噛みついたり、髪の毛をひっぱる場合があります。
遊び感覚とはいえ、叩かれたり、嚙まれたりするほうは困ってしまいますよね。
そんなときはくすぐる、おもちゃを使うなどの違う遊びに気分転換するとよいでしょう。
子どもが自分の感情を言葉で表現できずに攻撃的な行動をしてしまうと感じた場合は、叱って制止するよりもまず「悲しかったのかな? 嫌だったのかな?」とそこに至った気持ちを聞いて代弁しましょう。
その行動に至った、子どもなりの理由があるはずです。
自分の気持ちを言語化すること、そしてその気持ちをママやパパに分かってもらえたという体験が大切です。
そのあとに、なぜしてはいけないのかを教えましょう。
1歳頃は、まだ大人の言っていることを十分に理解するのは難しいかもしれません。
しかし、ママやパパが真剣な表情で語りかければ、なんとなくでも「ダメなのだ」ということは理解してくれるでしょう。
2歳頃になると、ある程度大人の言葉を理解できたり、言葉で表現できたりするようになります。
ただし、まだまだ感情のコントロールは難しい時期。
すぐに改善することは難しいかもしれませんが、日々言い聞かせ、経験を積み重ねることが成長への近道です。
もしお友達とトラブルになった場合は、自分の子どもの気持ち(おもちゃをとられて嫌だったね)と、相手の子どもの気持ちや行動(痛かったね、泣いちゃったね)を代弁することが、子ども自身の学習につながります。
子どもの気持ちを受け止めつつも、後ろから抱きしめてあげて、「してはいけないことだよ」と根気強く繰り返し説明しましょう。
代わりに言葉にしてあげて
子どもの攻撃的な行動が続くと、「乱暴な性格なのでは」と心配してしまうこともあるかもしれません。
しかし1~2歳頃はまだ自分の感情をコントロールする方法が分からないだけ。
まずは子どもの、その行為に至った気持ちを言葉にして語りかけてあげることを意識してみてくださいね。
監修:信野 操
第8期認定子育てアドバイザー(看護師・千葉市幕張本郷子育てリラックス館リーダー)
文:山村智子
イラスト:Ryoko Ishiyama