転勤や親の介護など、さまざまな事情で転居が必要となり、保育園も転園しなければならないケースがあります。
この記事では転園に必要な手続きはどんなものか、また転園するときに気をつけることは何か、認可保育園の場合を中心に解説していきます。
転園を間近に控えている人はもちろん、そうでない人も参考にしてみてください。
この記事のもくじ
保育園を転園するときの流れ
保育園の転園は、希望すればスムーズに行えるものなのでしょうか。
また、転園を申し込む際に必要な書類にはどのようなものがあるのでしょうか。
保育園を転園できるかは、転園先の空き状況次第
保育園の転園は、転園を希望する園の定員に空きがあれば可能です。
待機児童が多い地域や、同時期に入園希望者が多い場合は、その分ライバルが多くなり、転園の難易度は上がります。
①退園に必要な書類・提出期限を確認する
まず、現在通っている園の退園手続きについて確認しましょう。
多くの自治体で、退園日によって書類の提出期限が決められています。
②決められた日数までに退園届を提出する
退園の手続き方法について理解したら、忘れずに期限内に手続きをしましょう。
手続きが遅れるとさらに1か月分の保育料がかかるケースもあります。
③引っ越しを伴う場合は住民票を異動させる
転居を伴う場合は、役所へ行き住民票の異動をしましょう。
なお、想定している転居後のスケジュールによっては、「④転園希望の保育園見学をする」「⑤転園に必要な書類や手続きを行う」が先になる場合もあります。
④転園希望の保育園を見学する
転園を希望する保育園の見学に行きましょう。
住民票を移す前でも見学はできます。見学を希望する保育園に直接電話し、転園希望と伝えましょう。
子どもの年齢、転入希望時期など必要事項を聞かれたうえで日程調整が行われるケースが多いです。
電話をかける時間は、園児の昼寝時間にあたり、比較的先生方の手が空きやすい13時から15時がおすすめです。
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⑤転園に必要な書類や手続きを行う
転入したい園が決まったら、必要な書類の準備や手続きを進めます。
転園に必要な書類は入園に必要な書類と同じである自治体がほとんどです。
入園申し込みの書類の締切は、各自治体によって決められています。
また、4月入園の申し込みは前年11月くらいに締め切る自治体が多いので注意しましょう。
中には、1・2・3月は入園を受け付けていない自治体もあります。
⑥保育園入園
転園希望の保育園への入園許可が下りたら、いよいよ入園です。
転園児でも慣らし保育はありますが、乳児クラスで1~2週間程度、幼児クラスは3〜5日間程度が多いようです。
子どもによって新しい環境に慣れるまでの日数は異なるので、早く馴染むことができれば早期に終了することもあります。
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転園に必要な手続き・書類を解説
保育園を転園するときに必要な手続きや書類にはどのようなものがあるのでしょうか。
保育園を転園するときに必要な書類
保育園を転園するときは、今通っている保育園の退園願を提出し、転入を希望する園の入園手続きをします。
転入するときに必要な書類は、基本的には新規に入園するときに準備するものと同じです。
ただし、自治体によって必要な書類は異なりますので、必ず転入先の自治体の保育園を管轄する部署に問い合わせましょう。
また、書類提出のタイミングによっては、追加で書類が必要となる場合もあります。
住民票を異動させてから入園手続きをする場合
住民票の異動を終えたあとで入園手続きをする場合には、そこの自治体の住民として申し込むことになるので、特に追加の書類は必要ありません。
新しい住所の自治体で求められる書類を準備し、期日までに手続きをしましょう。
住民票を異動させる前に入園手続きをする場合
多くの自治体で住民票を異動する前でも入園申し込みはできますが、その取り扱いや方法は自治体によって大きく異なるため、注意が必要です。
現在住民票がある自治体から申し込む場合
住民票を動かす前に入園申し込みをする場合、現在住民票がある自治体の窓口を通して申し込むケースが多く、「管外協議」になるかどうかで転園のしやすさが大きく異なります。
「管外協議」とは、ある市町村に居住する保育を必要とする児童を、ほかの市町村に所在する保育園などに入園させることを指します。
自治体によって「管外保育」「管外委託」などというところもあります。管外協議になると、自治体によっては入園選考で減点対象になったり、住民の選考後に空きがあった場合のみ受け入れ可だったりと、不利になることが多いです。
管外協議になる場合には、認可外保育園の利用も視野に入れて動くことをおすすめします。
一方、現在住民票のある自治体から申し込むけれど、必要な書類を提出することで住民票がある人と同等の扱いとなる自治体もあります。
たとえば東京都板橋区は、申し込み窓口は現在住民票がある区市町村の入園担当です。
しかし、通常の入園書類のほかに「転入に関する誓約書」「課税証明書(保護者分)」「物件の引き渡し予定日が確認できる書類」を出すことで、板橋区民と同等の扱いになります。
転入先の自治体に直接申し込みができる場合
官外協議にならず、転入先の自治体に直接申し込みできるところもあります。
たとえば東京都中央区では書類提出時点では区外の人であっても、中央区が窓口となって書類を受理します。
条件面でも、「中央区への転入誓約書」「住宅の契約書の写し(利用希望月の前月末までに転入することがわかるもの)」を提出し、利用希望月の前月末までに転入することを条件として中央区民と同等の扱いになります。
窓口がどこになるか、また必要な書類や条件は自治体によって異なります。早めに確認しておきましょう。
管外協議扱いになるのか、選考で不利になるかどうかは、転入先の自治体に問い合わせればわかります。
転園をするときのポイント
転園する場合、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
転園先の保育園は事前に見学に行くようにする
転園で失敗しないためにも、転居先の近くの保育園の情報収集を行いましょう。そのうえで、転園先候補の園を実際に訪問して、今の園や他園と比較することをおすすめします。
しかし、転居先が遠方で見学が難しければ、質問事項を事前にまとめ、電話やメールなどで園に問い合わせることで、園の雰囲気が多少はつかめるかもしれません。
子どもにポジティブに転園のことを伝える
転園することは事前に子どもに話しておきましょう。
そのときに、「友だちが増えて楽しみだね」「こんな遊具で遊べるよ」など、前向きな言葉で説明すると、子どもも新しい保育園が楽しみになるでしょう。
不安があれば今通っている保育園の保育士さんに相談するという方法もあります。
また、新しい環境は大人でも緊張するものです。
新しい生活や保育園に慣れるまではいつも以上に子どもに寄り添い、変わった様子はないか注意して観察しましょう。
退園時にプレゼントを渡したい場合は事前に園に確認する
保育園を退園するときに、退園する側からお別れのプレゼントをすることもあるようです。
個人的に仲のよい人に園の外で贈る分には問題ありませんが、もし同じクラスのお友だち全員に配りたいなら可能かどうかを保育園に確認しましょう。
園によっては、プレゼントをあげたりもらったりすることを禁止しているケースもあります。
計画的に手続きを進めましょう
転園に必要な書類は入園とほぼ同じか、プラスアルファ程度です。事前に転園先を見学に行ったり問い合わせをしたりと下調べしたうえで申し込みをする、転園後は子どものケアに気を配るなど、転園ならではの注意すべきポイントもあります。
本記事では主として認可保育園への転園について解説しました。認可外保育園への転園の場合は、直接園に問い合わせるケースが多いですが、自治体によっても異なります。認可外の園についても、どんな園があるか、入園手続きはどうすればよいのか程度は自治体窓口でも答えてもらえますので、一度問い合わせをしてみましょう。
新しい環境は大人も子どもも緊張するものです。転園に関してきちんと下調べをし、よいスタートを迎えられるといいですね。
ライター:サカイケイコ
3児の母。おかあさんだからって好きを諦めない、をモットーに、仕事に家事に育児に趣味に全力投球中。
2024年の目標はボディラインを整えること。トレーニングの時間をどう作るか、考えています。